R1100Sボクサーカップレプリカ

R1100Sボクサーカップレプリカはまず2003年に初代が登場。翌2004年には早くもマイナーチェンジが行われています。ベースとなっているのはもちろん1998年に登場していたR1100S。ボクサーエンジン搭載のRシリーズのなかでもスポーティさを際だたせたモデルとして存在感を放っていました。

そんなR1100Sをベースに、BMW純正サスによってシート高を860mmまでアップさせ、より深いバンク角を実現。専用アンダーカウルやスポーツマフラーを装着し、バッテリーやオルタネーターも敢えて小型のものに変更されています。なお2003年式と2004年の大きな違いは前者はABS装着、後者はABS非装着という点。その他、カラーリングやミラーも異なります。

現在ではBMWもスーパースポーツモデルであるSシリーズを手掛けていますが、2000年代以前のBMWラインアップはツアラー系とGS系がメインで、スポーツ系車種に乏しいというのが実情でした。そうしたなかでまず現れたのが、Rシリーズならではの個性を活かしながらスポーツ性を高めたR1100S。それをベースとしたワンメイクレースが人気を博し、そのレーシングマシンを公道モデル化したのが、他ならぬR1100Sボクサーカップレプリカなのです。

もちろんスペック的には日本製やイタリア製スーパースポーツモデルには及んでいませんが、ボクサーツインならではの独特の鼓動とともに、スポーツ走行を満喫するために最適化されたという個性は、まさに唯一無二。比類なきスポーツモデルであることが、ボクサーカップレプリカの存在意義と言えるでしょう。