R1200RT WB1043（2010年式）

R1200RT WB1043は2010年に登場。車名こそR1200RTのままで変わりありませんが、この2010年モデルを境に、大きな変化がもたらされました。それはBMWご自慢の水平対向2気筒「ボクサーツイン」エンジンが、それまでの空冷SOHC方式から、空油冷DOHC方式に刷新されたこと。

また外観デザインもそれまでのイメージは踏襲し、大まかなシルエットこそ同じように見えるものの、細部まで一新。その上でインテグラルABSやオンボードコンピューター、グリップヒーター、パニアケースなどが標準装備されています。

R1200RTというのは、決して最高速やコーナーリング性能を競うようなバイクではありません。それこそスーパースポーツモデルとは、全く別の車種になります。むしろ真骨頂と言えるのは、一定レベルのハイスピードを楽にキープできるという点。とあるモータージャーナリストは「時速200kmで鼻歌交じりで走れる」と評しています。それこそが歴代RTモデルの本分なのです。

その上で、2010年にモデルチェンジされたR1200RT WB1043は、エンジンの空油冷＆DOHC化によって、全域に渡ってトルク感とレスポンスを向上。最高出力はあえて先代の空冷SOHCエンジンと同じとし、そこに到達するまでの時間と反応を改善することで、より気持ちよいフィーリングを実現してみせたのです。こうした奥深さは、さすがBMWという感じですね。