R Nine T ピュア 0J11

R Nine T ピュアは2017年にお目見え。この年は、R Nine Tのスタンダード仕様に初のマイナーチェンジが実施され、またそれをベースとした派生兄弟モデルがお目見えしたというタイミング。R Nine T ピュアは、そうした派生兄弟モデルの一員であると同時に、それまでのオートバイ業界の慣習や常識の逆を行くという意外性のあるものでした。

それはずばり「逆カスタム」を行い、装備をR Nine Tのスタンダード仕様をよりも、さらにシンプルかつオーソドックスにするというもの。具体的にはスポークホイールをキャストホイールに。マフラーを個性的な2本出しからシンプルな1本出しに。フロントフォークも倒立式から成立式に。メーターもシンプルな単眼式にといった形で変更を加えたのです。

R Nine T ピュアは上記の通り、ネオレトロとして高い人気を誇っていたR Nine Tをよりシンプル化することで、R Nine T自分好みのカスタムを施していくためのベース車両としても適したモデルとなりました。それこそ「どんな色にも染めることができる、真っ白なキャンバス」という位置づけになったのです。

それまでのR Nine Tに興味はあったものの、価格の面で躊躇していたという方にとっても、装備のシンプル化によってよりリーズナブルなプライスとなり、BMWへの門戸を広げたという点も意義のあることでしょう。さらにはR Nine T ピュアは兄弟モデルのなかでも一番シート高が低く抑えられているという点も見逃せません。女性や小柄な方、バイクにブランクがある方などにとっては、足つき性の面でも大きな安心をもたらしてくれます。