S1000RR WB1052

S1000RR WB1052は2012年に登場。このモデルについて語るのであれば、何と言っても、2009年にお目見えしたBMW初のスーパースポーツモデルである初代S1000RRまで話を遡るべきでしょう。

初代S1000RRはある意味、それまでの「BMWらしさ」とは一線を画し、日本製スーパースポーツに対抗するために生まれたモデルです。1000cc直列4気筒エンジンやチェーン駆動方式を採用し、その上でABSやトラクションコントロールなども標準装備。「BMWが本気を出した」と称される完成度でした。そんなS1000RRの2代目であるWB1052は、外観デザインこそ小変更にとどまっているものの、中身は大きな改良と改善が施されています。

S1000RRを含めスーパースポーツモデルというものは、ひと昔前のレーシングマシンよりも高性能に仕上がっています。それこそプロのレーシングライダー級の腕がなければ、その実力を100%使い切ることはできません。

それゆえS1000RR WB1052は、パワースペックを単に向上させるのではなく、一般のライダーがよりコントロールしやすく楽しめるという方向性の改良・改善を実施。スロットル特性を改善することでより繊細なレスポンスを実現し、トラコンやABSなどもより扱いやすく改善といったことを徹底して行っています。まさにBMWらしい考え方であり、それを実現してしまう技術力もさすがという感じですね。