ストリートファイターS

ストリートファイターSは2009年、スタンダード仕様のストリートファイターとともに登場。ドゥカティとしてはすっかりお馴染みとなっている、足回りにオーリンズ製サスペンションとブレンボ製ブレーキが奢られた上位モデルの「S」仕様になります。

このストリートファイターSというモデルは、同じドゥカティのモンスターシリーズから一時的に水冷エンジン搭載モデルがカタログ落ちした際、その補完を目的にラインアップされたもの。当時のスーパーバイク1098の水冷エンジンを譲り受け、モンスターシリーズとは差別化を図った、エッジを効かせたデザインのモデルとして造り上げられたという経緯があります。

あらためてご説明するまでもなく、近年のオートバイ業界では、昔ながらの丸目ヘッドライトのネイキッドとは一線を画した、個性的なエッジを効かせたスタイルが人気を博しており、ヤマハのMTシリーズやカワサキのZ1000などはその代表格。そうした時流をうけ、ドゥカティのモンスターシリーズとは別方向のベクトルで仕上げたのが、このストリートファイターSなのです。

そんな外観デザインはもちろんですが、乗り味に関しても刺激的な味付けがなされているのも大きな特色。普通に街中を流す際には気負いなく扱える反面、スピード域を上げると1990年代以前のドゥカティのような、じゃじゃ馬的な性格に変貌するのです。まさに羊の皮を被った狼という感じであり、いかにもドゥカティらしい遊び心と言えるでしょう。