FLHX103 ストリートグライド（2012年式）

FLHX103 ストリートグライド（2012年式）は2012年に登場。この年の大きな出来事は何と言っても、ストリートグライドを含むツーリングファミリーに搭載されるエンジンが、前年までの1,584ccツインカム96から、新たに1690ccツインカム103へと刷新されたことに尽きるでしょう。

また新エンジン搭載に伴い、エンジンの始動性を向上させるためのACR（Automatic Compression Release）という機構も採用。エキゾーストポートをECM制御によって、適した状態となるように開閉するシステムも装備されています。ちなみにツインカム103への更新はツーリングファミリーのみ。ダイナおよびソフテイルの両ファミリーはツインカム96が踏襲されました。

FLHXストリートグライドはいわゆる“ビッグツイン”と呼ばれる大排気量空冷V型2気筒エンジンを搭載するモデルです。古くは1930年代から1940年代にかけての「ナックルヘッド」に始まり、パンヘッド、ショベルヘッドを経て、エボリューション、ツインカムという系譜をたどってきました。スポーツスターの883cc/1200ccやV-RODの水冷方式、そして近年のストリート系の750ccエンジンなど、ハーレーには様々なエンジンが存在していますが、やはり王道でありフラッグシップであるのはビッグツインと言ってよいでしょう。

そんなビッグツインのなかでも、2012年当時の最大排気量である1,690ccツインカム103を搭載したのはツーリングファミリーのみ。ダイナおよびソフテイルの両ファミリーはツインカム96に据え置かれました。ゆえにFLHX103 ストリートグライド（2012年式）は、ツインカム103を味わえる貴重なモデル群の1台、かつ2008年の初登場以来、高い人気を博してしたハガーカスタムスタイル。そうした2つの大きな魅力が融合された車種であったことが、大きな魅力であったと言えるでしょう。