バルカン900クラシック VN900B

1990年から販売されたバルカンシリーズ。初代の400ccモデルから、バルカンⅡ・バルカンクラシック・バルカンドリフター・バルカン800が販売。バルカン900は2007年に登場したモデルなのです。

バルカンの前身となったのが1985年に販売されたEN400。当初はこちらのバイクに「バルカン」の名称がつけられていました。EN400は和製アメリカンとして開発・販売されたのですが、1988年にホンダの販売した和製アメリカンのSTEEDが人気に。STEEDはVツインエンジンを採用しており、カワサキもVツインエンジンを積んだ新設計のアメリカンバイクを開発しました。「バルカン」という名前をアメリカンバイクのブランドにしたかったカワサキは、新設計したバイクの車名を新たに「バルカン400」とし、それまでバルカンと呼ばれていたEN400は名称をはく奪されてしまいました。

バルカン900クラシックは、そんなバルカンシリーズの900ccクラシックモデルです。バルカンシリーズは海外販売を主眼にしており、国内での人気はいまひとつ。しかし2019年現在でも販売中のバルカンSなど、バルカンの血統は途絶えることなく受け継がれています。

バルカン900クラシック VN900Bの魅力は、なんといってもその存在感のあるデザイン。タンク上部とスイングアームをつなぐ特徴的な「バルカンライン」を始め、タイヤを包み込むような前後のフェンダーレール、美しいクロームパーツなど、パーツ1つ1つにこだわりが見られる造りです。海外での販売を主力にしており、国内で乗っているライダーが少ないのも特徴。他のライダーと被ることがないので、カスタムせずに個性を発揮できるマシンといえます。

いわゆるアメリカンタイプといわれるクルーザーバイクといえば、加速が遅いというイメージが強いはず。しかしバルカン900クラシック VN900Bは、カワサキが開発したバイクらしく、見た目に反して低中速での加速性能は高め。燃費も良いので、慣れれば快適に街乗りができるマシンとなります。