Z550FX KZ550B

Z550FX KZ550Bは1980年に登場。車名からも分かる通り、前年の1979年に発売され大人気を博したZ400FXの兄貴分として、排気量を550ccとしたモデルになります。当時は既に免許制度の縛りがあり、国内向けモデルは400ccまで、それ以上の排気量は国外向けとされるのが一般的でしたが、Z550FX KZ550Bは弟分であるZ400FXの人気を受け、ごく少数ながら国内販売も行われました。

なお、Z400FXとZ550FXはともに、ベースとなったのはZ500というモデル。元々欧州向けだったこのモデルを日本向けに400ccクラスとしたのがZ400FX。逆に排気量アップさせたのがZ550FXということになります。

Z550FX KZ550Bもまた、1970年代後半から1980年代にかけての、日本ならではのバイク事情によって希少モデルとなったという運命を背負った1台になります。改めてご説明するまでもなく、当時の日本では理不尽な免許制度改正により、大型自動二輪免許の取得が困難になり、中型免許で乗れる400ccが主流となっていました。

そんななかで、クラス初のDOHC直列4気筒エンジンを搭載したZ400FXは爆発的な人気を博すことに。そうした弟分にあやかり、通常であれば海外向けとされるZ550FX KZ550Bも国内販売が行われるという事態となったのです。しかしながら、前述の免許制度の関係もあり、販売されたのはごく少数。それが巡り巡って、今では、中古車市場にて、希少価値の高いモデルとして高値となっているというのは、本当に運命的ですね。