ベスパ,946,リコルド

ベスパ 946リコルドは、2012年のミラノモーターサイクルショーにてお披露目。翌2013年に発売開始となりました。実はこのモデル、ベスパが量産市販車として発売開始された1946年に発表された「MP6」というプロトタイプモデルが大元。そこから、現代の技術を用いて、近未来的で個性的なプロポーションとして仕立て上げたというモデルなのです。

車名の946とは、前述の通り、ベスパの生誕年である1946年に由来。またRicordo（リコルド）というペットネームは、125ccモデルにつけられた愛称となっています。ちなみに2014年以降、946は排気量を155ccにアップしたBellissima（ベリッシマ）にモデルチェンジされることになります。実質1年間のみ生産された、希少な125cc仕様の946という位置づけになります。

125ccクラスのスクーターは、小型2輪免許で乗ることができ、価格面でも身近な2輪車です。一方、946 Ricordoは、ある意味その真逆を行く車種と言えるでしょう。生産されたのは2013年の実質1年のみで、日本での新車価格は115万円。さらには日本に正規輸入されたのは、およそ20台程度という、まさに価格の面でも希少性の面でも、一般的な125ccスクーターとは別格という存在感を放っています。

もちろんその製造においては、ベスパならではのスチールモノコックのパネルの溶接からポリッシュ加工、ハンドル・シートのステッチ縫製といったすべての工程を、熟練職人がすべて手作業で行っているという、まさにハンドメイドで仕上げられているモデルなのです。もはやスクーターというよりは、伝統工芸品といった趣ですね。さすがは、70年以上に渡ってスクーターを手掛け続けているベスパ、と言ったところでしょうか。