イナズマ1200の買取相場は?特徴や歴史も紹介

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イナズマ1200

スズキならではの油冷エンジンを搭載した大型ネイキッド 気になる買取相場や実際の査定額は?

1998年、同じスズキの社内ライバルGSF1200とは違ったベクトルの大型ネイキッドモデルとして誕生。そんなイナズマ1200を買取依頼する場合、気になる査定相場はどのくらいなのかご紹介します。併せて、イナズマ1200の歴史や魅力についてもとりまとめていますので、ぜひご覧になってみてください。

20120年5月時点の買取相場

ライダーライターTよりひとこと

1990年代のいわゆるネイキッドブームは400ccクラスから始まりましたが、その波はすぐに大型モデルにも拡散してきました。ただし、当時はまだ大型自動二輪免許が各都道府県の運転免許試験場での一発試験でしか取得できなかった時代でしたので、その勢いも限定的という感じだったんですよね。

それが大きく変わったのが1996年。言うまでもなく道交法の改正によって、教習所での大型自動二輪免許の取得が可能になり、各メーカーもこぞって大型モデルのラインアップを充実させていきました。イナズマ1200がデビューしたのは、まさにそんなタイミングだったんです。

そうした流れの中で、イナズマ1200が印象的だったのは「状況をキチンと考えているな~」という点でした。大型バイク初心者が一気に増えるこのタイミングで、1200ccのビッグバイクでありながら、ライバル達よりも50kg近く軽量で、サイズも400ccクラスとさほど変わらないというスペックを実現。初めて大型バイクを入手する多くのライダーに対して、ハードルを大きく下げたこの戦略は、まさにお見事という感じでした。

イナズマ1200とは

スズキ イナズマ1200

イナズマ1200のスペック情報

総排気量 1,156cc
最高出力 100ps/8500rpm
最大トルク 10.0kg-m/4500rpm
全長・全高・シート高 2,140mm/1,100mm/780mm
重量 208kg
燃料タンク容量 18L
燃料消費率 28.0km/L
発売年 1998年
メーカー希望小売価格 798,000円(税別)
カラー シルバー他

イナズマ1200の歴史

油冷エンジン搭載のスタンダードネイキッド

イナズマ1200の登場は1998年でした。そのデビュー前、1990年代中盤のバイク業界では、時まさにビッグネイキッドブームが起きており、カワサキはゼファー1100、ヤマハはXJR1200、ホンダはCB1000SF/CB1300SFといった車種を市場投入し、覇権争いを繰り広げていた時代だったのです。

そんな中でスズキが1995年にデビューさせたのはGSF1200でした。「他社とは違うことをする」という信条を掲げるスズキだけあり、上記でご紹介しているライバル車たちとは異なるデザインと車体構成を持つモデルでした。

丸目ヘッドライトという部位こそ同じですが、パイプトラスフレームを車体デザインの一部として見せる工夫と、それに合わせた曲線美を強調した燃料タンクとシートカウル。そしてネイキッドモデルでは定番のリヤ2本式サスペンションではなく、スポーツモデルと同じシングルタイプのリヤサスペンションを装備。心臓部はもちろん、スズキご自慢の油冷式直列4気筒でした。

こうした差別化によってライバル車との戦いに挑んだスズキでしたが、いざ蓋を開けてみると戦況は芳しいものではありませんでした。現在でもそうした傾向が見られますが、日本のバイク市場において、ビッグネイキッドは丸目ヘッドライト、バーハンドル、リヤ2本サスが好まれるというスタンダード志向が強かったためです。スポーティさとデザイン性を強調したGSF1200は、もちろんその個性を支持するユーザーもいましたが、オーソドックスなビッグネイキッドを望む層からは敬遠されてしまっていたのです。

ちなみに余談ながら、実はスズキは400ccクラスにおいても、GSF1200の弟分と言えるバティッド400がまったく同じ理由で苦戦を強いられていたという状況がありました。そこで市場が求めるニーズに応じて、オーソドックスなネイキッドスタイルのGSX400インパルスを市場投入したという経緯があったのです。その前例に倣い、スズキは1200ccクラスにおいても、ひとつの決断を下します。

エンジンはGSF1200と同じ油冷直列4気筒エンジンを搭載しながら、GSF1200よりもマイルドで扱いやすい設定に再セッティング。車体もリヤ2本サス、バーハンドルのオーソドックスなネイキッドスタイルに――それこそが他ならぬ、イナズマ1200の誕生でした。

イナズマ1200の魅力

油冷エンジンゆえのメリットと、身近な価格設定

実はイナズマ1200は、GSF1200が海外向けにも輸出されていたのに対し、当時としては珍しい日本国内向け専用の大型モデルでした。先にご説明しました通り、スタンダード志向の強い日本市場のニーズを補完する目的で製造されたという経緯があったためです。

もちろんだからと言って、決しておざなりに造られたという訳ではなく、前述の通り、日本国内での使用に合わせてエンジン特性をよりマイルドで扱いやすいように専用設定。リヤサスペンションはSHOWA製。フロントブレーキにはブレンボ製キャリパーを奢るといったこだわりも貫かれています。その上で、車両価格も当時としては安価に設定されていた点も見逃せません。

そしてイナズマ1200ならではの大きな強みであったのが、独自の油冷エンジンによって車体のコンパクト化と軽量化を実現していたこと。後にリリースされる弟分のイナズマ400とさほど変わらないボディサイズを実現しており、重量の面でも当時のビッグネイキッドは200kg台半ばというケースが多かったのに対し、イナズマ1200は208kgという驚くべき数値を実現していました。大型バイクでありながら、特別な気負いや意気込みは必要なく、気の向くまま気軽に楽しむことができるという仕上がりになっていたのが、大きな魅力と言ってよいでしょう。

そしてもうひとつ、イナズマ1200は意外な理由で人気を博すことになります。それは…スズキが誇るレジェンドバイクGSX1100Sカタナを再現するカスタムモデルのベース車として。油冷エンジンとリヤ2本サスという車体構成は、カスタムの自由度も高く、カタナを再現するのにうってつけだったとのこと。なかでも有名なのは神戸ユニコーン(現ユニコーンジャパン)というカスタムショップが手掛けた、イナズマ1200をベースとしたGSX1200S KATANAというコンプリートカスタム。当時のオートバイ業界でも、大きな話題となりました。

 
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