KATANA GT79B

GT79B型KATANAは2018年秋、ドイツのケルンで開催されたインターモト2018にて発表。初代GSX1100S KATANAについて詳しい方なら「ドイツのケルン」という言葉に、ピンと来たことでしょう。1980年、当時のケルンショーにおいて初代KATANAはまさに衝撃的デビューを飾ったという歴史があり、その名を受け継ぐGT79B型KATANAも、先代と同じ舞台でお披露目という、心憎い演出がなされたのです。

その心臓部には、スーパースポーツモデルであるGSX-R1000の2005年モデル（K5型）に搭載されていた水冷直列4気筒エンジンをリセッティングして搭載。ちなみに同じスズキのGSX-S1000/Fのエンジンもこの方式とされています。さらにはブレンボ製フロントブレーキキャリパーにABS、3モード切替式トラクションコントロールシステム、発進時のエンストを回避する「ローRPMアシスト」など、現代レベルの装備類もしっかりと用意されています。

GT79B型KATANAは同じスズキのスポーツネイキッドであるGSX-S1000/F（型式名はGT79A）をベースにしています。その上で、KATANAらしさを表現するデザインを実現するには、様々な試行錯誤や苦労があったとのこと。原案はイタリアのスズキ現地法人と同国のバイク雑誌、工業デザイナーなどが強力して2017年のミラノモーターショーに出品したKATANA3.0というモックアップモデル。そこからスズキ本社の開発陣が量産市販車としてまとめ上げるために、さまざまな試行錯誤を重ねたようです。

例えば、GT79B型KATANAの燃料タンク容量は12Lと大型モデルとしては少なめ。これは、カタナらしい鋭い切れ込みが施されたタンク形状を実現するために、敢えて容量を少なくしたというエピソードが語られています。そうしたことからも、スズキの技術者たちが、大いなるこだわりと情熱をもって、現代にKATANAを蘇られたということがうかがえますね。