SV650Sの買取相場は?特徴や歴史も紹介

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SV650S

高い完成度を誇った
ミドルクラスのVツインスポーツ

1999年、車体もエンジンも新設計されたハーフカウルVツインスポーツとして誕生。そんなSV650Sを買取依頼する場合、気になる査定相場はどのくらいなのでしょうか。SV650Sの歴史や魅力についてもまとめていますので、ぜひご覧になってみてください。

SV650Sとは

SV650Sのスペック情報

型式BC-VP52A
総排気量 645cc
最高出力 70ps/8,500rpm
最大トルク 6.3kg-m/7,000rpm
全長・全高・シート高 2,040mm/1,130mm/ 785 mm
重量 190kg
燃料タンク容量 16L
燃料消費率 35.5 km/L
発売年 1999年
メーカー希望小売価格 699,000円
カラー レッド、ブルー他

SV650Sの歴史

新機軸のハーフカウルVツインスポーツとして登場

SV650Sは1999年に登場。派生モデルであるネイキッド版のSV650と同時にデビューとなりました。その前年には、言わば日本専用と言える兄弟車のSV400S/SV400が発売されており、本来であれば650ccの本モデルは海外輸出向けであったものの、1996年に大型自動二輪免許の教習所での取得が可能になったという時流もあり、国内販売も実施されたのだそうです。

SV650S(およびSV650)は、当時としては画期的な特徴を備えていました。それまで一般的だった鉄製のパイプトラス構造のフレームではなく、楕円形のアルミ素材で成型した「楕円断面アルミトラスフレーム」を採用していたのです。スーパースポーツモデルなどに用いられるアルミツインスパーフレームよりは低コストで、従来の鉄製パイプトラスよりは軽量で高剛性という、まさにいいとこ取りをしたものでした。

またエンジンも完全新設計で軽量な水冷Vツインエンジンを搭載。当時の400ccモデルと変わらないスリムさ、コンパクトさ、軽量かつ低重心という利点を実現した、まさにスズキの自信作と大きくアピールされました。その上で、ハーフカウルモデルであるSV650Sのデザインは、先行販売されていたスズキの大型VツインスポーツであるTL1000Sの雰囲気を受け継ぎ、丸みをもたせた曲線形状のカウルと細長い楕円形状のヘッドライトで構成されました。

鳴り物入りでデビューを果たしたSV650S(およびSV650)でしたが、日本国内市場での売れ行きはサッパリという事態に見舞われます。デビュー2年後の2001年式をもって、国内向け販売は中止となってしまいました。なぜそのような憂き目を見ることになってしまったのか…決してバイク自体の出来が悪かったのではなく、日本特有の事情とタイミングの悪さが大きく影響したと考えられます。

理由として、日本は長らく大型自動二輪免許の取得は試験場での一発試験しかない時代が続き、ようやく教習所での取得が可能になったのは1996年でした。加えて、日本独自のガラパゴス的区分によって、欧米ではミドルクラスである650ccが、日本では大型自動二輪免許が必要という事情も。こうした要素が重なり、ようやく大型自動二輪免許を取得できたライダーの多くは「どうせ乗るならリッタークラス」という考えが主流で、650ccという存在には見向きもしないという傾向が強かったのです。

近年でこそ600ccクラスならではのメリットや利点といったものは広く理解されるようになり、各メーカーもラインアップを充実させていますが、当時はまだまだ状況が成熟していなかったため、SV650Sは悲運の矢面に立ってしまったのです。いわゆる「時代が早すぎた」のですね。しかし、SV650Sは本来の仕向地である欧州においては、日本とは真逆の人気と評価を得ることになりました。

SV650Sの魅力

欧州において「ちょうどいい高性能」が大絶賛

1999年当時の欧州市場では、それまでスポーツモデル一辺倒であったドゥカティが手掛けた新生ネイキッド、モンスターが大きな人気となっていました。そのような状況に乗り込んでいったSV650S/SV650は当初「スズキのローコストVツイン」と小馬鹿にされていたそうです。

ところが、その走りを実際に体験した2輪モータージャーナリスト達が、完成度の高さを絶賛。軽量コンパクトかつ剛性の高い車体がもたらすシャープなコーナーリング性能と、低速から高速まで全域でレスポンスのよい水冷Vツインエンジン(当時のモンスターは空冷)。そしてモンスターはもとより、他のライバル車よりも身近な価格設定もあり、一躍欧州における大ヒットモデルになります。2001年には欧州の販売台数トップに輝いたほどでした。

そうした人気を受け、2003年にはフルモデルチェンジを慣行。まず時流に合わせて吸気方式が機械式キャブレターから電子式インジェクションに。また初代の大きな特徴であった楕円断面アルミトラスフレームも、より剛性の高いアルミダイキャストトラスフレームへと変更されました。デザイン面でも、初代は丸みと曲線を強調した形状だったのに対し、2代目はエッジを効かせたシャープな形状に。さらにテールライトは縦長形状のものを2本並べるという個性的なものになりました。

その後、2008年にはネイキッド仕様のSV650がグラディウス(SFV650)にフルモデルチェンジされますが、SV650Sは人気の高さゆえに基本設計はそのまま。ABSが追加されたSV650SAとフルカウル仕様としたSV650SFの2系統となり、2014年モデルまで販売が続けられました。
ちなみに現在日本国内向けにラインアップされているネイキッドのSV650ABSおよびSV650X ABSはSV650Sの血統を受け継ぐモデルです。初代が国内で受けた屈辱と不名誉は、10数年以上かけて欧州を巡ったことで、遂に返上されたといえるでしょう。

 
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