タイガー1050（2008年式）

タイガー1050は2007年に登場。1993年に復活したタイガーシリーズとして3代目となるモデルチェンジでしたが、その内容は、大きな驚きがもたらされました。タイガーと言えば、トライアンフが誇るデュアルパーパスモデルと広く認識されていますが、この1050は、前後17インチのキャストホイールにオンロード向けラジアルタイヤとなっていたのです。

その後、タイガー1050は2011年までラインアップされ、2012年のタイガー エクスプローラーへのモデルチェンジにてデュアルパーパスモデルへの回帰が実施されます。一方で、2013年には、タイガー1050の後継モデルと言えるタイガースポーツが登場することとなりました。

タイガー1050は、デュアルパーパスという出自を持つタイガーシリーズを、オンロードモデルに造り変えるという、なかなかに個性的な存在でした。これは従来のタイガーシリーズがアップライトなライディングポジションでありながら、オンロードでの高いスポーツ性も発揮できるという特性を活かしたため。

さすがにこうした試みは永続的なものではなく、タイガー エクスプローラーでデュアルパーパスへの回帰が行われましたが、弟分にあたるタイガー800を登場させ、また直系の後続モデルであるタイガースポーツも生み出しました。ある意味、タイガー1050はトライアンフによる大規模な実証実験を担ったモデルと言えるでしょう。