査定価格と買取価格に差がある理由
バイクの買取でよくあるトラブルに、査定価格と買取価格が違う、というものがあります。ここで言う「査定価格」とは、オンライン自動査定などで事前に行う査定を指します。この事前査定は、売却するバイクの車種や年式、走行距離など、限られた情報で査定を行うので、算出される査定金額は、あくまで目安程度のものです。
出張買取や店頭買取では、業者や店舗スタッフさんに、実際に実車を査定してもらいますが、この実車査定が本当に意味での査定です。実車査定では、外装のキズやへこみ、転倒の有無など、バイクのコンディションや、カスタムの箇所など、事前情報にはなかった要素を加えて査定するので査定金額が増減します。このように事前査定と実車査定では、査定の精度が異なるので、査定価格と買取価格に差が生まれるのです。
バイクの一括査定サイトでは、別の要因で、査定価格と買取価格に差がある場合があります。一括査定サイトは1件のバイク査定依頼に対して、複数の業者がそれぞれに事前査定を行い、査定価格を提示しますが、業者の中には、利用者に選ばれる為に、高めの査定金額をしている場合があるのです。こうなると必然、査定価格と買取価格の差がさらに大きくなり「査定価格と買取価格が違う」というトラブルの元になるのです。
買取価格に影響する要素
走行距離
一般的に、走行距離が長いほどエンジンや部品の消耗が進み、査定額が下がる傾向にあります。例えば、3万〜5万kmを超えると価値が下がりやすく、10万kmを超えるとパーツの交換や修理が必要になる可能性があります。
年式
年式が新しいほど査定での評価が期待でき、古いバイクでも走行距離が少なければ、評価されやすい傾向があります。ただし、古い年式であっても、走行距離が短すぎると、内部部品の劣化が懸念され、査定が下がる可能性もあります。
改造の有無
改造車両は、買取査定において、エンジンや外装などの改造があった場合、純正の状態よりも買取価格が下がる傾向があります。購入者が限定されるため、買い手が見つかりにくいことが理由です。
車検の残り期間
車検が残っているバイクは、すぐに再登録や整備が不要なため、査定での評価がプラスとなることがあります。車検切れの場合、再度車検を通すための費用分が査定額から差し引かれる可能性があります。
保険状態
自賠責保険が残っているバイクは、次のオーナーがそのまま乗り続けることができるため、査定においてプラスに働くことがあります。保険の残存期間が長ければ長いほど、買取業者にとっても価値があると判断されるでしょう。
査定時のチェックリスト
外観チェック
バイクの外観に、目立つ傷やへこみがないか確認しましょう。転倒によるフレームへのダメージや、立ちゴケによる小さな傷でも、査定に響くことがあります。修理可能な場合は事前に対応しておきましょう。
タイヤの状態
タイヤの摩耗具合も査定に影響を与えるポイントです。溝が少なくなっている場合、交換が必要となるため、査定額が下がる可能性があります。必要に応じて事前にタイヤの交換を検討してください。
エンジンの状態
エンジンの音や動作に異常がないか確認します。オイル漏れや異常音がある場合、修理が必要です。エンジンオイルやプラグの状態も査定に影響を与えるため、定期的にメンテナンスを行っていることはアピールポイントになります。
内装の清掃
シートやハンドル、メーター周りなどの内装も大切です。汚れや破れがないか確認し、可能であれば清掃しておきましょう。消耗品(ブレーキパッドやチェーンなど)の劣化も査定額に影響するため、必要に応じて交換や調整を行っておくことが推奨されます。
査定価格と買取価格の差を小さくするには?
「査定価格と買取価格の差」が起きる原因は、前述の通りですが、事前査定の際、できるだけバイクに関する詳細な情報を業者に伝えることで、この差をできる限り小さくすることは可能です。
オンライン自動査定は、査定金額を即時分かりますが、便利な反面、査定に使用する情報が少ないので、精度はそれほど高くありません。しかし、電話での問い合わせであれば、売りたいバイクの基本的な情報に加え、コンディションやカスタムの状況など、より詳細な情報を伝えることで、精度の高い事前査定が期待できます。事前査定をどこまで詳細に出せるかは、業者によっても異なりますので、電話での査定依頼の際に確認することをお勧めします。
鬼車整備長のなんでも相談室
査定価格と買取価格の差に納得!
バイクだけに限った話じゃないけれど、査定価格と買取価格に差があると、もしかして自分は騙されているんじゃないかって不安を感じてしまうけど、バイクの場合は、最低限の情報を元にした事前査定だから差が出てしまうのね。
私の場合、常に新しいバイクに乗りたいから、バイクを買ってから1年以内には売却してたんだけど、査定価格と買取価格に極端な差はなかったのは、コンディションが極端に低下していなかったせいもあるのね。
でも、どうせ買取してもらうなら、査定価格と買取価格の差が小さい買取業者にお願いしたいわよね。どうやって良い業者が見つかるかしら?
買取価格はバイクのコンディションが重要
査定価格と買取価格の差を大きくするのは、貴子ちゃんの言うコンディションが一番大きいかもしれないな。業者だってメンテナンスや修理が必要なバイクを買い取るなら、その分のコストを考えて査定価格を出す訳だから、当然、状態の良いバイクの方が、その差は少ないぜ。
ただ、どの業者も、実際のバイクを査定するまでは、正確な査定金額は出せないのが現実だ。査定価格と買取価格の差を小さくしたいのであれば、買取業者を選ぶより、普段のメンテナンスを欠かさないようにして、バイクのコンディションをなるべく良い状態で維持することが大切だ。