バイクに課せられる税金は2種類。軽自動車税と自動車重量税です。軽自動車税はすべてのバイクに課される税金で、自動車重量税は250cc超のバイクにのみ課される税金。いずれも先払いの形で一括納入となります。
ところで、たとえ年度の途中でバイクを売却したとしても、納めた軽自動車税の一部が返金されることはありません。よってバイクを売る際には、きちんと買取業者等と話し合い、納得のできる査定額にして欲しいものです。
一方で自動車重量税は、バイクの廃車登録をする場合に限り、過払いの税金が返金・還付される仕組みとなっています。ただし、そもそもバイクの自動車重量税は高額ではないため、その返金額は微々たるものであることを承知しておきましょう。
税金が戻ることもあるがお得感はあまりない
バイクにかかる税金と売却時の税金システム
■バイクにかかる税金の種類
車を所有している場合に税金がかかることと同様、バイクを所有している場合にも税金がかかります。バイクにかかる税金は2種類。軽自動車税と自動車重量税です。
・軽自動車税
ほとんどの種類の車、およびバイクに課せられる税金です。税額は2016年より改訂され、大幅にアップ。バイクの軽自動車税は、排気量等の違いにより、年額で次のような税額となりました。
種類 | 排気量等 | 税額 |
---|---|---|
原付1種 | 50cc以下(白ナンバー) | 2,000円 |
原付2種 | 50cc超~90cc(黄色ナンバー) | 2,000円 |
原付3種 | 90cc超~125cc(ピンクナンバー) | 2,400円 |
自動二輪 | 251cc超(縁が緑のナンバー) | 6,000円 |
3輪バイク等(ミニカー) | 3,700円 | |
3輪バイク等(軽二輪) | 3,900円 |
先に、2016年の改訂により税額が「大幅にアップ」と説明しました。確かに、たとえば原付1種の税額は1,000円から2,000円と、2倍になっています。
しかしながら、これら税金は月額ではなく年額。決して高いとは言えません。車の自動車税に比べ、バイクの自動車税はかなり優遇されていると考えて良いでしょう。
・自動車重量税
車や、一部のバイクに対して自動車重量税が課されます。車両の重みが徐々に道路を傷めていくため、その補修工事目的として課税する、という建前の税金です。バイクにかけられる自動車重量税は、排気量に応じて次の通り。
排気量 | 税額 |
---|---|
125cc以下 | 0円 |
125cc超~250cc | 新車購入時のみ4,900円 |
250cc超 | 年額1,900円(車検の都度、2年分の3,800円を納入) |
125cc以下のバイクには自動車重量税がかかりません。125cc超~250ccのバイクは、新車を購入した時のみ4,900円がかかりますが、その後は課税されません。250cc超は車検の都度、2年分の重量税が課税されます。
バイクの自動車重量税を考える上では、250cc超か否か、という点が大きなポイントになります。
■年度の途中でバイクを売った際の還付・払い戻し
バイクの軽自動車税は、毎年、4月1日時点における所有者に対して課されます。1年分の税金を先払いする形で納税します。また250cc超のバイクの自動車重量税については、車検の都度、2年分を先払いする形で納税します。
いずれの税金も「先払い」となっているため、年度の途中でバイクを売却した場合、一部の税金を余分に納めている形になるのが分かるでしょう。では、この余分に納めた形の税金は、バイクを売った人に返金されるのでしょうか?
・軽自動車税は返金されない
たとえ年度の途中でバイクを売却したとしても、納入済みの軽自動車税の一部が返金されることはありません。
上述の通り、バイクの軽自動車税は、4月1日の所有者に課税される仕組みです。よって理論上は、「3月31日にバイクを売って、同日に所有者の名義変更を行なう」ことが有利となります。
なお、たとえ3月末にバイクを売却したとしても、3月中に名義変更手続きをしない場合、旧所有者に対して納税通知が届きます。バイクを業者に売る際には、名義変更手続きの日程について業者と確認するようにしましょう。
・廃車にするなら自動車重量税は返金される
まだ車検が残っている250cc超のバイクを廃車登録する場合、納入済みの自動車重量税の一部が返金(還付)されます。廃車登録の書類と返金申請書は一緒になっているので、特に確定申告(還付申告)をする必要はありません。
ただし、廃車ではなく買取業者等でバイクを売却する場合は、自動車重量税は還付されないので注意してください。この場合、残った車検期間を考慮した買取査定額が業者から提示されるため、特に金額面で不利になることはありません。
各自治体の税金処理方法と事前に確認する点について
自治体ごとの軽自動車税の取り扱いの違い
バイクを所有していると、毎年5月に各自治体から軽自動車税の納税通知が届きます。この税金は、4月1日時点でバイクを所有している人が対象となるため、売却を検討する際には注意が必要です。軽自動車税の処理方法は自治体によって異なり、税額の計算方法や還付の有無も変わります。各自治体のウェブサイトで自分の地域の軽自動車税ルールを確認しておくと安心です。
税金精算のタイミングと還付の可否
多くの自治体では、年度の途中でバイクを手放しても税金の還付が行われませんが、一部の自治体では還付を実施しています。具体的には、軽自動車税は月割り計算されないことが基本ですので、年度途中で売却しても、すでに支払った税金が返ってこないことが一般的です。売却前には、各自治体で還付制度があるかを調べておくと無駄な出費を防げます。
自治体の税金処理ルール
バイクを売却する際、最初に確認したいのが「自動車税(軽自動車税)の精算方法と還付制度」です。特に短期間で売却を考えている場合には、年内に税金が発生しないよう手続きを計画するとよいでしょう。自治体窓口や公式サイトでの事前確認がおすすめです。
バイク売却後の税金還付手続き
軽自動車税の還付対象となる場合
バイク売却後の還付対象となるのは、特定の条件を満たした場合です。多くの自治体では還付が行われませんが、例えば、一定の高額バイクや特定の排気量(400cc以上のバイクなど)に関しては、還付手続きが適用されるケースもあります。また、税金還付の条件は年度の初期に手放す場合が優先されるため、売却時期を考慮することが大切です。
手続きに必要な書類
還付を受けるには、「譲渡証明書」や「軽自動車税納税証明書」などが必要です。手続きに不備があると、還付金が支払われない可能性もあるため、書類の確認は慎重に行いましょう。売却業者が還付手続きを代行するケースもありますが、自身での申請が必要な自治体もあります。
各自治体への申請方法
税金還付申請は、バイクを売却した翌年の3月15日までに行うのが一般的です。申請は原則として、書類を提出することで行われますが、自治体によってはオンライン申請を受け付けている場合もあります。手続きの詳細については各自治体の公式サイトで確認してください。
バイク売却に伴う確定申告と税止めについて
売却による収入が確定申告の対象となるケース
バイクを売却した際に得た利益は、確定申告の対象となる場合があります。特に、高額で売却できた場合や、譲渡利益が発生した場合は、譲渡所得として申告が必要です。ただし、売却価格が購入額を下回る場合や、日常の使用目的であれば申告が免除されるケースも多く、条件次第で手続きの有無が異なります。
確定申告の流れと関連書類の準備
確定申告が必要な場合、準備すべき書類は「売却証明書」「購入時の領収書」などです。申告時には、経費として処理できる項目も含めて必要書類を用意しておくことで、節税が可能になる場合があります。確定申告の時期は原則として翌年の2月16日から3月15日までです。必要な書類や詳細は、税務署のウェブサイトで確認できます。
税止めを行うタイミング
税止めとは、バイクの売却後に発生する税金を止める手続きで、軽自動車税の支払いが不要になるようにする手続きです。売却後に税金を止めないと、翌年度分の納税通知が送られる可能性があるため、売却が完了したら速やかに「廃車手続き」や「名義変更」を行いましょう。手続きは自治体の税務課や陸運支局で行います。
【まとめ】あまりお得感のない返金?
軽自動車税に返金・還付のシステムはありません。また、自動車重量税には廃車の際に限り返金・還付のシステムがあります。バイクを廃車にする際には、税金の還付システムがあることを覚えておきましょう。
ただし、バイクの自動車重量税は決して高くはありません。よって返金額も、残存月×150円程度と少額です。次の車検まで3ヶ月を残してバイクを廃車にした場合、手続きをすれば450円が返金されます。
もちろん、450円でも返金される分には嬉しいのですが、あまりお得感がない返金・還付であることも承知しておきましょう。